教育

【保存版】生徒指導で大切なこと5選【失敗しない生徒指導の基本を伝授】

ゆっきー
  • どうすれば生徒は話を聞いてくれるんだろか。
  • 保護者対応や電話連絡がどうしても苦手だなぁ。
  • この指導って本当に合ってるんだろうか。

生徒や保護者、先輩教員との関係性において、悩みを抱える教師がたくさんいます。自分なりに頑張ってみてはいても、それがうまくいっているかどうかわからず、不安は尽きないですよね。

私は10年間中学校で担任として勤めてきました。その間、いつも生徒や保護者と良好な関係を築きながら過ごしてきました。そうした実績が認められ今では生徒指導担当になり、生徒たちがかっこいい大人になれるよう日々指導にあたっています。

そこでこの記事では、初任者でも自分の軸を持って指導ができ、生徒や保護者と良好な関係を築けるよう『生徒指導で大切なこと』について実例を交え具体的に解説していきます。

この記事を読めば「生徒と保護者から信頼され、自信を持って生徒指導ができるようなるために大切なこと」がわかります。

私が10年かけて培ってきた教師としてのノウハウや経験を凝縮しました。生徒のためにより良い指導がしたいと思っている人は最後まで読んでください。

生徒指導の前提

信頼

生徒指導で大切なのは信頼と予防です。

『何を言うか』よりも『誰が言うか』が重視されるため、問題が起こらないように普段から関係性を整えておくことが大切ということです。

見知らぬ誰かから急に言われた言葉と、自分が信頼や尊敬をしている人から言われた言葉と、どちらがより心に残るかと言われると一目瞭然ですよね。

生徒に何か伝えたいと思うとき、まず第一にある程度の関係性が必要になってきます。どれだけ正しく、良いことを言っていたとしてもそこに関係性がなければ聞いてもらうことができません。

生徒指導といえば、恐い人がするものというような誤解が教師側にも浸透してしまっています。大きな声で怒鳴ったり、威圧的な態度で生徒を叱りつけたりする教師が担当していることがほとんどです。

これまでの自身の経験と照らし合わせて考えてみても、そういった指導は恐怖によって一時的に反省しているように見せます。しかし、最終的には不平不満や悪口に変わっていくことがほとんどだと思います。

今の学校は、このような間違った指導をする教師が力を持ち、指導にあたることが多くあります。そして、間違った指導を続けた結果、生徒や保護者の心が離れてしまい、学校そのものがしんどくなっているのが現状でしょう。

生徒指導が上手い教師というのは、そもそもこういう状況を作りません。何か起こったときの対応が上手い教師があげらることが多いものですが、日々の指導が行き届いている教師の前ではそもそも生徒たちは大きな問題を起こさないものです。

この記事では、本当の意味で指導が行き届いた教師になるために必要な生徒指導の基本を解説していきます。

それでは解説です!

生徒指導で大切なこと5選

教室

「生徒指導で大切なこと」は以下の5つです。

生徒指導で大切なこと5選
  1. 小さなルールを守らせる
  2. 変化に気づく
  3. まずは確認する
  4. 一貫している
  5. 細かな家庭連絡

この5つの内容を理解し、1つずつ実践していくことで、信頼される教師にきっとなれます。

それでは1つずつ解説していきます。

①:小さなルールを守らせる

よくある話ですが、小さなルールを守れない生徒が大きなルールを破りだします。

そうならないために、小さなルールを守れなかったときにすぐに声をかけることが重要です。

守らせたい小さなルール
  • 第一ボタンを閉める(詰襟でもシャツでも)
  • 敬語を使う
  • 時間を守る(遅刻をしない)
  • スカートを折らない
  • ネクタイを下げない

このような身だしなみや時間に関するルールがある場合はそれらをきちんと守らせるべきです。

思春期は自分で自分のことを決めたくなるものですし、そもそも学校にはブラック校則と呼ばれるような不要なルールがたくさんあります。

ツーブロックがだめ、とか短い靴下はだめ、とか意味のないルールで溢れていますね。

そうしたルールを守る理由を考えた結果、「これくらいならいいか・・・」と少しルールから外れたことをし始めたり、普段意識しないようなことがルールになってしまっていて、そのせいで自然とルールを破っていたりします。

どちらもルールを破っていることには変わりないので、このタイミングで「それはあかんで」と声をかけてあげられなかったら、それは「ルールを守らなくても大丈夫だよ」と生徒に伝えているのと同じような意味を持ってしまいます。

そうなると当然、生徒はルールを守りませんし、ルールへの感覚が曖昧になり本当に守ってほしい大きなルールを破るようになってきます。

大きなルールを破り始めたタイミングで多くの教師は危機感を持ち「あかんで」と声をかけますが、時すでに遅し。生徒にはその呼びかけに応える心が身についていないので話を聞いてもらえず、抑えが効かなくなっていきます。

話を聞いてもらえなかったことを生徒や保護者のせいしているのもよく目にします。原因自分論で考えていきたいところですね。

そうして、普通の温度感で話を聞いてもらえなくなった生徒に対して、威圧的に大声で指導をする教師が指導を始めるわけです。一時的に行動が収まり、一見指導ができたようにも思えますが、これは本質的な指導にはなっていません。

こういう指導は生徒に納得感がないので、教師への批判に繋がり悪口を助長しているようなものです。そのような生徒が増えれば増えるほど、学校をいい状態で運営していくのが難しいことは目に見ていますよね。

そうなる前に、小さなルールを守る習慣を身につけさせてあげましょう。

本来、守らなくてもいいルールがあることも事実です。

不要な指導を減らす意味でも、ルールの見直しは常に考えておくべきでしょう。そうした方が生徒も教師もより過ごしやすい学校に近づいていくはずです。

②:変化に気づく

「先生は自分たちのことを見てくれているんだ」という実感から信頼が生まれます。

それはいい面でも、悪い面でもどちらでもそうです。様々な生徒の変化に気づいてよく声をかけている教師と生徒の関係は良好であることが多いです。

単純接触効果、なんていうのもありますからね。

生徒指導に関わらず、良い教師というのは多くのことに気づき、想像力が豊かであることが多いです。

先ほどの①の内容と少し重なる部分もありますが、小さなことに気づこうと思うと生徒のことをよく見ておかないといけません。

そして、いつもと違うと感じたその時に声をかけるようにしていきましょう。

もちろん、こちらの勘違いということもあります。しかし、仮に何もなかったとしても声をかけてもらえたという実感は残りますし、会話のきっかけとすればそれで十分です。そうした小さな積み重ねが相手との距離を縮め、いい関係性に変わっていきます。

自発的な生徒の変化もあれば、こちらが促した変化もあります。異装などで指導をした際に、そこで終わってしまう教師がほとんどですが、できる教師はその後必ず、きちんとしているところを見つけて褒めます。

1週間くらいきちんとできているところを褒めてあげられたら、生徒からこちらにアピールしてきてくれるようになることが多いです。

声をかけたらきちんと褒めて、その後も見守る。

ここまでを1つのセットにしておくだけで随分と違いが生まれてくるはずです。むしろ、ここまでしないと生徒の行動は変わらないと思っておいた方がいいくらいです。

もう1つ、気をつけておくべき指導が「当たり前を大切にしなさい」というような指導です。ここでは過去に私が卒業生からもらった手紙を紹介しておきます。

卒業生からの手紙

「言われたことをきちんとしていても、誰の目にも止まらなかったからこれでいいのかとすごく不安に感じていた。けど、先生だけはそこを見てくれていて、声をかけてくれたから今までちゃんとしていてよかったと思えたし、これからもそうしたいと思えた。」

こういう生徒が、頑張る方を向いていてくれるかそうじゃないかが、学校全体の雰囲気に大きく影響します。よくないところを指導するばかりでなく、頑張りを認めて、伸ばしていってあげらることが実際の問題の解決につながるんだろうなぁといつも感じています。

③:まずは確認をする

生徒が問題を起こしているときは、まず確認をするようにしましょう。

多くの教師は初めに「何してんの!?」というような感じで、大きな声で怒鳴ってしまうことがあります。これは、教師にそのつもりが無くても生徒たちには「怒られた」感覚が残ってしまいます。

『大声で何かを言われた』➡️『怒られた!』という構図を持っている生徒が非常に多いです。

問題が起こっている以上生徒にも良くないところはあるのですが、こういうときはそれぞれに言い分があるものです。そこをいきなり怒鳴られてしまうと、生徒は「自分は悪くないのに怒られた!」という思いでいっぱいになり、こちらの問いかけに応じてくれなくなってしまいます。

ですので、こういうときはまず、「どうしたん?」と普通のトーンで声をかけましょう。

大切なのは次の2点です。

point
  1. 昂っている気持ちを一度落ち着かせてあげる
    または、落ち着ける場所に連れて行ってあげる
  2. 心配していることを相手に伝える

生徒が荒ぶってしまいどうしようもないときに、こちらも同じようにヒートアップしていては収まるものも収まりません。人数でカバーするなどして、話を聞ける状態にしていくことが第一です。落ち着かせるために1時間使うことだってあります。

そして、いくら正しい話や指導をしたとしても、それを相手が聞いてくれなければ意味がありません。自分の話を聞いてもらうために場と心を整えてあげましょう。相手が言いたいこと思っていることをしっかりと吐き出した後からやっと、教師の番です。

そもそも話を聞かないと何について指導するか、検討も立てられないですからね。教師も落ち着きたいところです。

特に最近多い教師の失敗は、指導に時間を当てられないからと、結論を急いで謝らせ、距離を取るように指導し、その後こじれるケースです。

小学校でも中学校でもこのような間違った指導が蔓延していて、正しい距離感やコミュニケーション能力を身につけられていないが非常に増えています。そうならないために生徒の話をしっかりと尊重してあげて、指導に当たれるようにしましょう。

また、授業中に寝ている生徒を怒鳴ったり、落ち着かない生徒や違うことをしだす生徒に怒鳴る教師もいますが、授業が面白かったらそんなことは起きません。それに、その教師のことが好きならそんなことしません。これも原因自分論で考えらますよね。

こういった場合も確認からスタートです。そうすると

😡「先生の授業おもんないねんもんっ!」

と教えてくれることがあるかもしれませんからね。そうした姿をチャンスに変えられるようになると、また1つ教師としての力量が上がっていくことと思います。

寝ている生徒が悪いのではなく、寝てもいいやと思われるような関係性であることや授業の内容を教師が見直していきましょう。

④:一貫している

生徒指導では、わかりやすさがとても重要です。大切なのは次の2つ。

point
  1. 人によって対応を変えない。
  2. 人によって対応が変わらない。

理不尽さや矛盾がある指導を生徒は受け入れてはくれません。ただどこかで生徒のことを下に見ているため、大人の無理を通せると思いがちな教師が多く、無理な指導をしがちです。

そうではなく、生徒によって対応を変えないことや、教師で足並みを揃えて指導していくことが大切です。まじめな子でも違反をしていたら指導しますし、ルールとして作ったのなら守れていないなら声をかけます。

この基準がブレると一気に指導が行き届かなくなります。教師が贔屓していると言われたり、①でもあったようにルールを守らなくてもいいんだと勘違いさせてしまうわけです。

このような指導を若手も女性教員も同じようにできるのが理想です。テクニックのような話ではなく、生徒に対して一言かけられて、それがきちんと受け入れらる状態にしていきたい、ということですね。

しかし、若手や女性は指導をしなくていいとされていることが多かったり、立場を持った人の厳しい指導のせいで、せっかく声をかけても聞いてくれなかったりと、なかなか難しいのが現状です。

生徒は恐いか恐くないかだけを判断基準にしているような感じです。

そうならないためにも、よくないことはよくないと、起こったときに伝える習慣を作っていきましょう。

⑤:細かな家庭連絡

連絡を入れずに後悔したことはありますが、連絡を入れて後悔したことは一度もありません。

少し嫌な言い方に聞こえるかもしれませんが、時間がないことを言い訳にしたり、これくらいいいかと勝手な判断で連絡しないままにしていたりした教師が保護者と揉めています。

私も初めの頃は、揉めるところまではいったことないですが、冷や汗かいちゃうような質問をされたことはあります。

連絡が必要かどうかを決めるのは保護者であって、教師ではありません。

ここを勘違いしている教師が多いので問題も多発しているように思います。

連絡をするときの心構え
  1. すぐにかける
  2. 先に謝る

すぐにかける

連絡は基本、問題が起こった後すぐにかけます。放課後なんて待ちません。

授業の空きコマやお昼休み、給食指導中など、15分ほどあれば確実にかけています。

特に午前中にかけていたら保護者もお昼休憩等でかけ直してくれることが多いです。その場合は事務や管理職に報告をしたタイミングで折り返しがあるかもしれないことを伝えておき、連絡がつながるようにしておきます。

お願いを受ける、受けてもらうを繰り返しておくことで、こういうときに助けてもらえるようになるわけです。

早く連絡をすることができていたら、「連絡が繋がらなくて帰ることができない」とか「生徒が事実じゃないことを親に先に伝える」みたいなことがなくなります。

先に謝る

教師は謝ったら負けだと思っている人が非常に多いです。謝ったことで、責任を負わされ、より大変なことに発展していくと思い込んでいるからだろうなぁと思います。

ただ、実際にはそうではくて、謝らない不誠実な人だと思われるからより揉めている印象です。なので私は、こちらから謝ることがほとんどです。すると不思議なもので、保護者の方もきちんと謝ってきてくれるんですね。

前提として、監督不届や問題の隠蔽など明らかなこちらの過失でなければ、親も教師も悪くはありません。生徒たちは何かと失敗してしまうものですからね。

お互い苦労しながら見守っているんだと保護者の方に思ってもらえていれば、そんな同じ目線に立ってくれている人のことを普通は責めたりしないものです。

  • 普段からよく気にかけてくれている
  • 何かあったら心配してくれる
  • よく褒めてくれる
  • 子どもだけでなく、自分のことまで気にかけてくれる

こんな相手のことを責める気にはそうそうならないはずです。

連絡の速さとその質は安心感に変わります。意識して行えるといいですね。

まとめ

教師と生徒

今回の記事では、失敗しないための生徒指導の基本を5つ紹介しました。

生徒指導は 信頼と予防 の上に成り立っていることを理解した上で次の5つを意識して過ごすことが大切です。

生徒指導の基本 5選
  1. 小さなルールを守らせる
  2. 変化に気づく
  3. まずは確認する
  4. 一貫している
  5. 細かな家庭連絡

不要な生徒指導事象や保護者対応を起こさないよに過ごす、というのは、生徒たちのことを大切に見守っていくことそのものだと思います。どれ1つ、欠けていていいものはありません。

自分の行動を見直しながら、生徒のこともよく見て毎日を過ごしていきましょう。

以上、ゆっきーでした!

ABOUT ME
ほたて
ほたて
中堅中学校教員
子どもありきで教育は考える。【研修では教えてくれない教師の秘訣を発信🌟】今よりも一歩自由な毎日を求めて日々活動していきます✊
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